会社の退職後に再就職先を探している時、こんな風に考える方も多いと思います。
子どもが保育園に通っていない場合では、各々の考え方で再就職先を探すことで問題ありません。
しかし、子どもの保育園の継続を考えている方へ悲報です。
自己都合での退職の際に、保育園猶予期間内で失業保険(基本手当)は確実にもらえません!
なぜ、自己都合での退職だと、保育園継続の猶予期間内に失業保険がもらえないのか説明していきます。
失業保険の仕組みと、失業保険(失業手当)の受給について
会社(パート・派遣含む)に勤めている際に、雇用保険に入っていると、退職後から再就職までの期間、失業保険をもらえます。
なお、会社を退職して失業保険をもらうこということは、雇用保険から支給される失業等給付の中の基本手当をもらうことを意味しています。
基本手当(失業給付金)をもらうには、いくつか条件があります。
- 雇用保険に加入していたこと。
- 【自己都合退職の場合】雇用保険の加入期間が、会社を辞めた日以前の2年間に、12か月以上あること。
- 【会社都合退職の場合】雇用保険の加入期間が、会社を辞めた以前の1年間に6か月以上あること。
- ※失業状態にあること。
※失業の状態にあることとは?
- 労働の意思【積極的に就職しようという気持ちがあること】
- 労働の能力【いつでも就職できる能力(身体的・環境的)があること】
- 就職できない【積極的に就職活動を行っているにも関わらず、職業に就くことができない状態にあること】
この条件を満たすことで、基本手当をもらえる資格があります。
雇用保険を定めた期間以上収め、体調面でも問題がなく、求職希望の方であれば、基本手当をもらえる資格があるといえます。
なぜ自己都合退職では退園までの保育園猶予期間中に失業保険(基本手当)をもらえないのか?
失業保険をもらう資格があるのに、なぜ失業保険がもらえないのか?
その理由は、失業保険は、失業後に即日受給されるわけではないからです。
- 【1】ハローワークへ求職申込/離職票提出・・・離職票・求職票等、必要書類を提出の上、受給資格者であることの確認を受ける(受給資格決定日)
- 【2】就職準備講習会・・・ハローワークの利用案内や就職活動の方法や準備の進め方、応募書類の作成や面接のポイント等について説明。(初日から1~2週間後の指定された日)
- 【3】雇用保険説明会・・・雇用保険の仕組みや不正受給等についての説明が行われ、受給資格者証、失業認定申告書等を受け取る(初日から2~3週間後の指定された日)
- 【4】最初の失業認定日・・・受給資格者証、失業認定申告書を提出。(初日から約一か月後)
最初の失業認定日の後に、失業保険(基本手当)は支払われます。
スケージュールから見てわかるように、早くて申し込みから1か月後です。
➡ハローワークの初日からのスケジュール確認(体験談)についてはコチラ
しかし、初日~1カ月後に失業保険(基本手当)を受け取れるのは、会社都合(倒産・解雇)で退職した人のみです。
自己都合で退職した場合は、3か月は基本手当が給付されないという、制限がある為です。
自己都合退職には給付制限があるため、再就職までの保育園猶予期間には、間に合いません!
自己都合の退職場合、3か月の給付制限というものがあります。
給付制限とは、失業認定日(手続きなし)後も、求職・職業相談行い、最初の失業認定日より約3か月後に、就職が決まっていない場合に、初めて基本手当が受給できるというものです。
そう、自己都合の場合は3か月の給付制限という制限により、失業保険(基本手当)を受け取るのに3か月以上かかるということです。
退職後~再就職までの保育園退園までの猶予期間は長くとも3か月
退職後に求職・保育園継続を希望している場合、保育園の退園までに、どの程度猶予期間があるか知っていますか?
退園までの猶予期間は、自治体により異なりますが、短い自治体で1か月、長い自治体でも3か月です。
自己都合による退職で、ハローワークへ求職申込を行い、求職活動をした場合、退園までの猶予期間内に失業保険(基本手当)を受け取ることは、理論上不可能なのです。
再就職が出なかった場合、保育の必要がなくなりますので、もちろん保育園は退園になります。
自己都合で退職し、就職活動を行うも再就職ができなかった場合、3か月の給付制限後に失業保険(基本手当)の受け取りはできますが、
保育園は確実に退園になってしまう、ということです。
会社都合であれば、失業保険(基本手当)はもらえる可能性はあります!
会社都合の退職場合、ハローワークへの求職申込から約1か月後に基本手当(約28日分)を受け取ることができます。
これは、ハローワークより指定された日に、必ず来所していること・積極的な就職活動を行っていることが前提です。
さらに、会社都合の退職の場合、最初の失業認定日から、1カ月おきに失業認定日を受け、一定期間は就職活動をしながら、毎月基本手当を受け取ることが出来ます。
退職~再就職までの猶予期間が2カ月以上ある自治体であれば、基本手当を受け取ることは可能であると言えます。
自己都合退職でも、保育園の猶予期間内に就業手当は受け取れる可能性はある!
自己都合退職では給付制限が3か月ありますが、求職申込後に求職活動を行い、再就職が決まった際には、再就職手当・就業手当という手当を受け取れる可能性があります。
再就職の際に受け取れる手当ですので、退職~再就職までの保育園猶予期間内にも間に合う手当であると考えられます。
- 再就職手当・・・1年を超える安定した職業に就いたと認められる場合
- 就業手当・・・1年以内の短期的な職業に就いた場合
再就職手当とは、一定要件を満たし再就職をした際の手当
求職申し込みをした際に、所定給付日数というものがあり、退職理由や勤務年数により異なり、90日~360日で設定されます。
再就職手当は、以下の条件を前提に申請・受給することが出来ます。
- 所定給付日数の残りが3分の1以上
- 1年以上超える安定した職業(自営業も可)就いた場合
- 決められた支給要件を満たすこと
再就職手当の金額は、基本手当日額の60%~70%×所定給付日数残で計算されます。
就業手当は、申請した方が良いかどうかは検討が必要
再就職手当とは違い、就業手当は働いた日数分受給できる手当です。
就業手当は、下記の条件を前提に申請・受給することが出来ます。
- 所定給付日数の残りが3分の1以上且つ45日以上
- 臨時に就労した場合・安定した職業以外(請負・委任・1年以下の契約)で就職すること
- 支給要件を満たすこと
失業保険を受け取れる期間は、一部を除き1年間と決められており、退職の翌日から1年間が有効期限です。
求職申込後、例えば6か月~1年未満の単発ではない仕事が決まった際には、失業保険を受け取れる有効期間を超える期間か、所定給付日数がどの程度残っているのか、により申請有無を検討すべきと言えます。
就業手当の金額は、基本手当日額×30%×就業日数で計算されますが、金額としては、あまり大きな金額になりません。
➡就業手当の詳しい説明はこちら
保育園の猶予期間を考えない場合、数日間の単発のアルバイト程度であれば、申請をせず給付制限期間が完了してから、失業保険(基本手当)を受給する方が得策といえるケースもあると言えます。
まとめ
保育園の退園までの猶予期間を考慮すると、自己都合では失業保険(基本手当)を受け取ることが出来ないのです。
保育園の在籍継続を優先するのであれば、再就職手当のことをよく知り、再就職の際に、申請・受給することが得策です。